うどん家の日常

2歳差兄弟育児/ジーナ式/お金/読書記録

読書記録:子どもは40000回質問する

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

こんにちは。2歳0歳ふたりの息子を育てている育休中ママのうどんです。

 

今回はイアン・レズリーさんの『子どもは40000回質問する』の読書記録です。

 

 

こちらはX(Twitter)でおすすめされていたのを見て借りてみました。おわりにでも書いたのですが、この本は自分が育児において揺らいだ時に度々読み返して指針としたい本なので買うことにしました。

 

 

 

 

 

本書の狙い

何が好奇心を豊かにし、何が好奇心を枯渇させるのかを理解する

p.25

 

とのこと。原題は"Curious: The Desire to Know and Why Your Future Depends on It"なので、子どもという言葉は入ってないんですよね。タイトルに釣られましたが、主に2章に子供の好奇心について記載があります。

育児書というよりも私たち大人でも参考になる内容が詰まっていました。

 

 

 

好奇心は加齢による認知機能の低下を防ぐ

生涯にわたって読書や文章を書くことに多く親しんできた被験者は、そうしたことを人並み程度にしか行ってこなかった被験者に比べ、認知機能の低下の速度がじつに三分の一も遅いということだった*

*読書や書きものをめったにしない人々は驚くべきことに、平均的な被験者に比べて48%速いスピードで認知機能が低下していた

pp.32-33

 

好奇心がある人の方が、歳をとっても認知力の低下速度が遅いという研究結果が出ているそう。平均寿命が伸びている今、健康寿命を伸ばすことも大切ですが、好奇心がひとつの鍵のようです。

 

 

 

好奇心のある子はどうなるのか

メリーランド州の国立小児保健発育研究所では、乳児期にとりわけ活発に周囲を観察し、身の回りのものを触る子ほど14歳に成長した時点で上位の学業成績を収めたと明らかにしたとのこと。

また、喃語や指差しは赤ちゃんにとって好奇心を満たすためのもので、親は無視せずに何を知りたがっているかを想像して対応することが大切とのこと。子供が指差ししたものを無言で与えられると指差しは「モノを手に入れる合図」だと理解し、名前を教えると「情報を得る手段」だと理解し、無視すると指差しをやめてしまうとのこと。

 

長男が1歳のころ、話さずに「んっ、んっ」と指差しすることが多かったのですが、指差ししたものについて名前を教えたり、どういうものなのかを伝えたりしていました。そんな長男は2歳手前からめちゃくちゃ喋り始めて、2歳半の今では普通に会話ができるようになりました。おそらく3歳の子よりも良く話していると思います。この本を読んで、長男は指差しが「情報を得る手段」だと思ってくれていたのだなと思い、順調に育っているのだと思うと嬉しくなりました。

 

 

 

インターネットが好奇心を狭める

情報を得る手段(インターネット)が広がっても好奇心はむしろ狭めてしまうとのこと。なぜかと言うと、Googleのような検索エンジンには著名な論文をさらに広める効果があり、短期間に重要な論文とそうでないものが色分けされ、その評価の差が拡大するためだと。また、印刷された学術誌や文献ページをめくると周辺領域の関連記事になんとなく目が留まるが、ハイパーリンクという機能によってそれをしなくなっている。利便性が高いと調査の範囲が狭まってしまうそう。

 

大学時代の恩師がまさに「興味のある研究分野を探したいならネットで論文を探すのではなく、学術誌にある論文や文献を読み漁って探せ」と言っていました。それらの文献に記載された参考文献を読んでいくと、何が研究されていて、何がまだ研究されていないかがわかる、と。

少し脇にそれますが、ネットに掲載された論文はあまり良い研究ではなかったりするんですよね。(10年以上前の話なので変わってきているかもしれませんが。)

結局のところ、ネットはうまく使えないと意味がないのでしょうね。筆者も以下のように述べています。

 

私は決してインターネットの効用を否定するつもりはない。問題なのは、未知の情報や人物、自分の外側の世界へと関心を広げてくれるはずのインターネットの潜在的威力が十分に生かされていないことだ。これからの未来、成功を収めるのは、この点を理解して行動する人々になるだろう。

p.144

 

インターネットの活用、私も上手くできているか正直わからないので、子と一緒に学んでいくのがいいのかもしれないですね。

 

 

 

多くの質問をする子は、親から多くの質問をされている

高所得層の家庭の子は、低所得層の子より多く質問することが分かっており、社会的背景による差異は2歳から認められたとのこと。子供から質問を引き出す会話が多いと、好奇心に基づいた質問をする傾向が高く、そして質問をする子は親からもたくさん質問をされていることがわかっているそう。

 

質問がさらに質問を引き出す、というのが目から鱗でした。息子たちにはこれから話しかけるだけでなく、たくさん質問をしてあげたいです。

ただ、一つ疑問なのは、話せない頃から質問すべきなのかなという点です。もちろん良いに越したことはないと思いますが、親が自問自答する姿を見せたら良いのでしょうか…話せるようになったらでいいような気もしています。

 

2歳の長男は最近よく「いまなにしてる?」「なにたべてる/のんでる?」と聞くようになりました。これがだんだんと「なぜ?」「どうして?」になるのかなと思うとワクワクしてきます。(それに付き合うのは大変だと思いますが…)

 

 

 

学校教育は創造的であるべきか

創造性は空白から生まれるわけではない。優れたイノベーターや芸術家は膨大な知識を蓄えていて、必要な情報を無意識に引き出すことができる。それぞれの分野の法則を熟知しているからこそ、それを書き換えることに集中できるのだ。彼らはアイディアや主題を何度も混ぜ合わせ、そこから類推を働かせ、変わったパターンに目を留め、ようやく独創的な飛躍に至るのである

pp.192-193

 

最初から創造的に何かをしろと言われても何もできないので、結局のところ、知識を詰め込む必要があるとのこと。

 

私が新卒1-2年目のときに上司から通常業務に加え、余った時間で業務改善をしろと言われたことがあるのですが、当時の私は「業務のことがそもそもわかってないのに改善もクソもあるかいな」と思っていました(口悪い…)。3-4年目になってようやくここの効率が悪いから上手いことできないだろうか?と試行錯誤できるようになってきたので、上記の主張はあながち間違いでないと思いました。

 

子どもにとっては、あるテーマについて思考をめぐらせるのに必要な基本的情報がないかぎり、気まぐれな好奇心(拡散的好奇心)を持続的な好奇心(知的好奇心)へと発展させることは難しい

p.202

 

インターネットという便利な道具があるのに、私たちはどうして暗記という面倒な義務から逃れられないのか。

…(中略)…

インターネットを検索しているとき、私たちはあの鈍くて容量の小さい作業記憶を利用している。背景知識が少なければ、新しい情報を処理して理解しら一時的な記憶に留める作業に多くの知力を費やさなければならず、内容をじっくり考える余力がそれだけ失われる。長期記憶の蓄えが少ないほど思考は難しくなる。

…(中略)…

子どもたちは長期記憶に情報を蓄積するように大人から背中を押されないかぎり、潜在能力を台無しにし、学ぶ意欲を挫かれるに違いない。インターネットに子どもたちを任せきりにすれば、彼らの知的好奇心をみすみす死なせてしまうことになる。

pp.202-204

 

上記を読んで、インターネットがあるからといって覚えることをやめさせないように大人(親)が誘導していかないといけないのだなと思いましたし、もし子どもたちが「なぜ勉強しないといけないのか、覚えないといけないのか」と聞かれた時にこう返せばいいのかという根拠になるので私的には安心しました。笑

 

 

知識は知識に引き寄せられる

アメリカ教育省の支援のもとで行われた長期的研究では、2700人の子どもたちの成長を就学前から10年以上にわたって追跡した。すると、将来の学業成績を予測するもっとも信頼性の高い指標は、語彙力を含む一般常識であることが判明した(二番目は手先の器用さで、三番目は自己抑制、やる気といった性格的特徴だった)

p.204

 

最近は非認知能力がブームになっているため、三番目の自己抑制ややる気といった性格的特徴を伸ばすための育児本が多くある気がします。非認知能力を伸ばすことも大切ですが、認知能力を伸ばすことも大切であるんだなと感じました。

 

とはいえ、乳幼児期においては非認知能力を伸ばしてあげることは大切なようです。

https://www.hoikushibank.com/column/10-0

乳幼児においては基本的には非認知能力を伸ばしてあげつつ、学業…まではいかずとも知らぬ間に知識を増やしてあげるのがいいのかなと思いました。学童期においては好奇心を持ってもらうためにも知識を増やしてあげる、という方針がよさそうな気がします。

 

 

おわりに

第6章の問いかける力の最後らへんは好奇心と無理矢理紐づけている感じで蛇足だった気もしますが、全体的には大変勉強になる内容でした。また最後の第8章の好奇心を持ち続ける方法も育児には直接関連がないのでそこまで読む必要はないかなと。

 

同じような本に『3000万語の格差』があるのですが、こちらより興味深く大変参考になったので購入しました。自分が揺らいだ時に何度か読み返したい本です。

 

結局のところ、この本では非認知能力より知識を増やしてあげた方が将来の幅が広がるような書き方だったので、いかに勉強と思わせずに知識をつけていくかが大切なのではと思った次第でした。そちらに関してはぎん太さんの著書が良さそうです。

読書記録はこちらから。

noodlenodu.hatenablog.com

 

おすすめ度:★★★★★
育児中の合間に読みやすい度:★★☆☆☆
手元に置いときたい度:★★★★★

 

 

▼ポチッとしてくれると励みになります☺️

 

あわせて読みたい

noodlenodu.hatenablog.com

noodlenodu.hatenablog.com